とあるデジタルマーケターのBlog

デジタルマーケティングとテクノロジーとアートとエンジニアリングっぽいことをつらつらと

パーソナライズド動画マーケティング

「動画を活用したオンラインマーケティングが来る」と言われてはや数年。

実際に自分も何本かの動画マーケティングをやったけどイマイチ感が否めなかった。
Webがこれだけパーソナライズに舵切ってるのに動画コンテンツはそうもいかない実情があったからだけれども。

 

で、昨年位からやっとパーソナライを前提にした動画マーケティングのソリューションがぼちぼち現れアメリカを中心に成功事例が出だした。
わかりやすパーソナライズ動画事例としてFacebookフレンズデー動画が挙げられる。
ユーザーの交友関係データ(とタグ付けされた写真)をテンプレートへ流し込んで閲覧者にパーソナライズドされた動画を見せる仕組み。
これはとんでもなく「自分だけに向けられた特別感」があるし、動画に登場した友人がコメント付けたりシェアするから非常に拡散力も強い。

 

で、我々が実際にキャンペーンを打てるパーソナライズド動画マーケティングはざっくり2系統なのかなと思う。

一つ目は、カットの組み合わせや並べ替えをユーザー情報で最適化するパターン。
セグメントAにはA動画、セグメントBにはB動画という様な。

二つ目は、動画のテキストや音声等をユーザーデータに最適化するパターン。
動画冒頭のテキストが「あなたにおすすめ」となるところを「Aさんにおすすめ」と個人名を表示する様な。

この二つの手法にCRM、MAを掛け合わせると現実的に効果の高い動画マーケティングができる。

Acquisition、Activationで活用する場合は、Anonymus時の行動ログや検索データ、3rdPTデータの組み合わせから、ルールベースのカット組み合わせで配信して高いKPIを目指し

Retention、Referralで活用する場合はCRM上のユーザーデータ基に、氏名の挿入や住所ベースでカットの出し分け、担当営業の写真等を見せていく様な。

 

パーソナライズ動画、今年は機会があれば手掛けてみたいと思う。

DioBox - イベント特化型CRM

日々日々海外のツールを追っ掛けてると笑えてくる位スゴイツールに出会う事が多々ある。
例えばMarketoもそうなんだけど、まだ日本法人ができる1年以上前に見つけて「今すぐこれ入れて事業課題解決してえ」と震えた。
結局、諸々の問題から日本法人出来るまで指咥えて待って、日本でも数番目に導入してたりする。

今日のツールはイベント運用特化型のCRM
Excelやらメールやらチェックイン管理やら参加者情報の共有やら座席管理やら…
これらを一元的に管理して圧倒的な効率化を図ろうっていうのがこれ。
現場でiPad使ってチェックイン管理(しかもリアルタイム同期だからチームメンバーで共有可能)
招待状作成機能、ゲストのランクに応じた送信管理、参加不参加管理などなど。
凡そイベントやる上で必要だろうと思われる機能が全部入りしていて更に安い。
実用的な機能盛り込んだバージョンで1イベント3万程度の費用感だし、簡易版ならフリー。
イベントやってる方、いかがです?

Diobox | Event Planning App for Guest Lists, Emails, RSVPs, Seating and Check-Ins

デジタルマーケターはどう進化すべきか?2016年3月版

GoogleがTensorFlowベースの機械学習ソリューション群をリリースしましたね。
その中の一つ、Google cloud vision apiはかなり面白いです。(これ自体はちょいと前からあった。)
Google cloud vision apiは画像の分類はもちろん、顔認識とその表情、喜怒哀楽抽出もいけちゃうので、対面型のサービスでひたすらデータ取り貯め「申し込み」を目的変数に機械学習させ、トークスクリプトの評価と改善スキームを組んでみるなんて施策良いかも。


さてさて、今日のポストのメインテーマは「これからデジタルマーケターが身に付けるべきスキル」と「テクノロジーの面白さをマーケターとしてどう活用していくか?」の二つ。


デジタルマーケターのテクノロジーに対する理解力は今以上に求められていくはず。
高水準の知識レベルはもとより、実際に触ってコントロールできるレベルである必要も。

例えば。
何らかの機械学習のモデルをフルスクラッチできる必要は無くても、原理と基礎は知識レベルで必要で、
先人がGitHubやQiitaなんかに書き留めてくれてるドキュメントを基に一通り仕組みを自前で構築し動作させ、アウトプットまで持ってこれる水準。

そしてこれらを実務上のマーケティングに乗せ、事業課題の解決に繋げる為には「アイデア」「マッシュアップ力」「社内営業力 」「データ解析力」が非常に重要になる。


具体的に、テクノロジーの面白さを上手くマーケティングに組み込んでるなあ、と思った事例があって(これはエンジニアによる取り組みではあるけれど、売れる仕組みの改善という観点ではマーケティングだと捉えられる)

VASILYさんがやってるアプリで、テキストベースの商品カテゴリ分類がうまくいってない部分があったから、deep learningで画像ベースのカテゴリ分類させたらめっちゃ高精度になった(副次効果もでかかった)のでマイクロサービス化してアプリに組み込んだというお話し。


(ベースになってる技術って最近ちょこちょこ投稿してる自分のBlog記事のそれと同じdeep learning。
応用方法はもちろん違う。)

この事例はエンジニア発だけど、マーケターがこういったバックグラウンドを兼ね備えた上で施策を考えたらまた違った面白さがあると思うし、エンジニアとガッツリとタッグを組める事で産まれるシナジーは凄いものになるはず。

というわけで是非興味湧いたマーケターの方いれば勉強会しましょう。




余談
そもそもなんでdeep learningスゲエと僕がぶつくさ言ってるかという話。
まず、僕レベルのエンジニアリングレベルでも実務に応用できる程の技術的、環境的ブレークスルーが起きたことと、
一番ヤバいのは、従来の機械学習だと、特徴抽出を人間が頑張ってやらないといけなかった所をマシンが勝手に特徴抽出してくれる事。
しかも高精度に。
この辺りの話はまた後日…

「neural style」 vs 「neural artistic style」

デフォルト設定時のアウトプットの違い

という事で比較してみた。
左がneural_artistic_style、右がneural-style

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傾向としてはneural_artisitc_styleは「パキ」っとした画風になる。
neural-styleはやや「ボヤ」っとした塗り。
拡大するとよりその差がはっきり出るのがわかる。
この差はどこが要因なんだろう…

「Ostagram」 @ Neural Artistic Style - Samle Image 002 と、個人メモ

Style image : 紫陽花双鶏図 / 伊藤若冲

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Subject image : ハシビロコウ / www.ent-mabui.jp

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Output image : 

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勉強中テキストメモ

深層畳み込みニューラルネットワークによる画像特徴抽出と転移学習
中山 英樹
東京大学 大学院情報理工学系研究科
http://www.nlab.ci.i.u-tokyo.ac.jp/pdf/CNN_survey.pdf

 

qiita.com

neural artistic styleをUbuntuに構築して自家製Ostagramしようぜって話し

Ostagramとは

AlphaGoのニュースが世界中を駆け回っている中、ひっそりと「Ostagram」というキーワードがBuzzっていた。

 

Googleが公開して話題になったDeep Dreamを発展・改良した様なソフトウェア郡を用い、
イメージ画像へスタイル画像の画風を転換する技術でアート作品を作るというプロジェクトをやっているロシアングループがいて、彼らがプロジェクトをOstagramと呼んでいる。
仕組み自体は畳み込みニューラルネットワークを用いたシンプルなモノ。(追記予定)
具体的な作品事例は下記を参照。

www.boredpanda.com

 ゴッホゲルニカっぽい画風でブラッドピットを描いたらどんな風になるのか?
といった様な事をGPUまたはCPUにやらせている。

 

で、今回はこの画風変換を自前のPCで遊ぶ為に環境構築しようぜって話し。
ちなみに、有料でこの遊びを代行してくれるWebサービスが2つほどあるのを確認してる。
流行ってる間はいい小遣い稼ぎになりそう。

 

neural artistic style

僕が知ってる限り、近い仕組みで画風変換をするプログラムは3つばかしある。
1つは今回紹介するneural artistic styleで、もう1つがchainer-gogh、もう1つがneural style。
neural styleも自分のUbuntuで環境構築済みだけど、他に構築方法紹介してるBlogが既にあったのであえて別なのを紹介。

まずはcudarrayを入れよう

Numpyライブラリで、CUDAベースの処理を行える様にするモノらしい。
試してないけどCUDA入れてなくてCPUでやるわって人でも大丈夫なはず。

GitHub - andersbll/cudarray: CUDA-based NumPy

あ、CUDAをUbuntuに入れる時けっこうハマりポイントあります。
Nouveauを無効化した上でインストールしないとダメです。
ニーズがあればこの話しもまた今度…

Deeppyを入れる

ファイル群を自分のPCのどっかにクローンして下記コード打つだけ。

GitHub - andersbll/deeppy: Deep learning in Python

cd deeppy
python setup.py install

仕上げ

neural_artistic_style

GitHub - andersbll/neural_artistic_style: Neural Artistic Style in Python

を自分のPCのどっかにクローン。
そのフォルダの中に

Pretrained CNNs - MatConvNet

imagenet-vgg-verydeep-19というリンクからimagenet-vgg-verydeep-19.matをダウンロードして入れておく。

入れ終わったら下記コード叩いてOstagram画像を生成しよう。

python neural_artistic_style.py --subject images/tuebingen.jpg --style images/starry_night.jpg

 

自家製例

ピカソゲルニカの画風でブラピを描かせるとどうなるか?

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こうなった。

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